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セシルとジードの西洋式剣術教室
投稿日 | : 2016/09/11(Sun) 15:12 |
投稿者 | : stephanny |
参照先 | : |
西洋剣術のウィキペディアをそのまま面白そうにキャラクター同士の会話でやってみる事にしました。
〜ある日のムルマンスク練兵所
「ようセシル。今日も馬術の訓練への協力感謝するぜ。ムルマンスク産は名馬揃いだがお前みたいな馬術に長ける奴の教練は俺達ペルミ出身者では出来ねぇ。おかげで俺達も馬に慣れる事が出来たぜ」
教官の一人ジードはもともとペルミ出身の山賊であり、ライカンスロープでもある。
彼自身は馬に乗る必要はないが、兵には馬が必要なケースが多かった。
「なんてこたぁねぇよ。こればっかりはずっとやってたことだしな。俺も今でもクラウディオに教わる事ばっかりだ。最高の教官はこいつなのかもしんねぇな」
セシルは愛馬、クラウディオ号の背中を撫でるとブルンとクラウディオは誇らしく言う。
「ところでセシル。お前はすごく当てカンって奴があるがやっぱり見てると剣の腕自体は素人同然だ。
どうだ、少し講義って奴を聞いていかねぇか。俺もお前に感化されてな、本って奴を読むようになった。
そこで色々教えれるようになったかテストがしてみてぇ。」
「まーな。でも素人だから当たってるって所も結構あるぜ。スタイル変えるかどうかってなるとまた別だよ」
「そう言うなセシル。色々知っておいて いざッて時に使えるバリエーションは広いにこしたこたァねぇ。
お前は頭が良い。知識って奴じゃねぇ。カンだ。普通なら長い時間かけて導き出す時の考えを一瞬で行う事ができる。
イザって時の対処法を一瞬で導き出せる様になるのはお前の強みを増やす事になると思うぜ。
頭がオーバーすればそれこそ忘れちまえば良い。忘れて思い出すのはお前の得意技だろ」
「そこまで言うなら まぁ」
〜剣と盾について
「お前が使っているのはバスタードソードって奴だよな。バスタードっていうのは混血って意味だ」
「へー、知らなかったぜ」
「片手剣としても両手剣としても使える。切る事も突く事もできる。どっちも特化した歴史があるらしいがそれのいいとこ取りって混血という意味でもある」
「ほー、まさに俺って感じだな」
「そうだ。お前はなんだってやる。勝つためにな。逆に言うととても面倒なシロモノだ。
何でも出来るってことは逆に言えば何も出来ねぇ」
「まぁな。まさに俺って感じだ」
自嘲気味にセシルは笑う
「そしてお前が持つ盾はバックラー。取り回しがよく視界も良い。
剣に盾をぶつけて使うしどうしようもない場合は受ける事も出来る。
これまたちょっと面倒ではあるがお前はカンが良い。だからよく使える」
「確かに」
「んでもってこいつらを役割分担させて器用に使い分けるのがオーソドックスタイルって奴よ」
「盾を思い切り前に突き出せば盾を誇張出来るし、腕を縮めて持てば相手を誘う事が出来る。当然後ろ側には剣が構えられている」
「ステゴロの延長みたいな感じだなぁ。左手でどうするとかしたり右手でぶん殴ったりって感じか」
「そうだ。腕を縮めて持つ時には剣を水平にしておけばそのまま切れるよな。
そして腕に重ねておけばバレにくいし相手も攻撃しにくいガードの構えになる。
と言っても相手は俺含めて人外共の攻撃だ。ギリギリ衝撃を抑える位の役割が精一杯だが、それでもそんだけの理屈はあるってこった」
「なるほどなぁ。拳闘のクロスガードみたいな感じか」
「おう、だが中々侮れ無い防御力ではある。さて、話を続けるぜ。
このバックラーは兎に角軽い。だから左手でおもいっきりぶっ叩いたり押し付けたりっていう剣のための予備動作に向いてる。振りかぶるついでに抑えこんだりな。
っていうのが俺達の武器の扱い方の基本理論って奴だ」
〜盾について
「ついでにちょっと盾の便利さと強さについて話ておくぜ。これはお前が好きそうなヤツだな」
「あん?」
「盾を持つ事の意味だ。盾は防御専門の道具を持ってる。
攻撃部門の右手とは独立している手だ。攻撃と防御を同時に出来る。
両手持ちと違って攻撃か防御かの二者択一を迫られる事がない。
心が受けに回る事がねーってことだ。
おっと、盾を持つ事は消極的だから受けってことじゃぁねぇのかってツラしてんな。
実際は相手の攻撃が当たらなくなる事もあれば防ぐ事も出来るし隠れる所も出来る。
確かお前はシャドウの隠れる技を持ってたな。それと理屈は同じだ。
相手の攻撃が無力化されるってことは積極的に仕掛けていっているってことだろ。
ならこの場合 対処しなきゃならねぇのは相手って見る事も出来る。
フツーの短めの剣でも相手の有効打が減るのに対してこっちの有効打減る事はねぇ。
なら、逃げる必然性がねぇのは当然だろ?お前に向いてる事になるな」
「確かに確かに」
〜剣の扱いについて。
「まずは持ち方だ。こいつで取り回しが決まる。
ガッチリと握りしめてホールドする。こいつは兎に角強い。
果物を剥くナイフのように親指を立てて親指で剣を支えるイメージだ。
こいつは便利だ。親指をスライドさせれば刃の動きの切り返しも出来れば構えも安定する」
「お。本当だ」
セシルは親指を立てて剣を持ってみる。すると何時もよりも自在に剣の先や軌跡が動く事を認識する。
「そいつの一番の弱点は…クソ重たい剣でナイフみたいに扱おうってのは普通は思わない
だがセシル、俺達ならそれが出来る。人間離れした力が俺達にはあるんだからな」
そしてジードは続ける
「それで、次は剣の構えといこう」
「構え方はざっくり3つある。
1つ まず剣で頭を守るように並行に構える。頭上からの攻撃に強い。
2つ 肩に担ぐ構え。こいつは疲れにくく構えが崩れにくい。そのまま右手の柄でおもいっきりぶっ叩くように出して左右から手首でカットする。
3つ 腕を下に下ろす。こいつも疲れにくい。盾の影になるから剣が見づらい。
セシル。お前は大体ラストの構えが多いな」
「まぁなぁ。俺はあんまり強くねーからバレねーことが一番意識しなきゃならないと思ってる。殴る隙とかタイミングはこっちの任意な事も多いしなぁ」
「あぁ。だが一応覚えておいて損はねぇぜ。強く見えるっていうのは実際に強い。
そういうのが必要になってくるシーンもある。相手によって変えるんだな。
お前はそれが一番の強みだろ」
「おう、上手いことなんとかするぜ」
続く