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泡と浮く空気に
投稿日 | : 2017/04/13(Thu) 15:54 |
投稿者 | : stephanny |
参照先 | : |
地下道の駅 それは旅人、情報が流れて溜まる場所。
月影 それは大昔 南部に戦慄をもたらした死を告げる者。
今は不定形な旅人であり、不定形な情報でもある彼が根城とするのに地下道は都合が良かった。
ある冷たい夜の中 地下道のとある駅の上。
彼は駅から地上へつながる階段を登り、外へ出る。
混沌の投影により保護されぬ冷たい空気が、彼の首筋へと当たる。
そのままゆっくりと丘へと登り、冷たい岩に腰掛け、黒い林と深い夜空に浮かぶ満月を望む。
彼は誰に見られるでもないのに包帯を外さず、煙の匂いの強いアストラハンの酒を注いだグラスをゆっくりと傾ける。
「あぁ、俺は……」
脳に迫り来る、自我を蝕む言葉の群れ。
冷たい風と月の光の静寂が、彼の中の言葉の群れを少し弱まらせるのを感じている。
「少し……」
舌に熱をもたらす酒が彼を焼き、煙の余韻を残す。
アストラハン内地からノーザランへと移り、魔境や反乱を消す仕事。
だが、今の彼には仲間や、依頼を達成することで救われる民の顔がある。
「俺は、人を……」
消すだけではなく 救った という実感が彼を癒やす。
だがそれは不幸な人を消しているにすぎない。
存在するのは不幸な人で、その不幸を食い、消し、自分が救われる。
「救ったという感動に……」
自分が救われている。この言葉を吐く事は、禁忌にあたる、そう思い彼は口を盃で塞ぐ。
舌に火の酒と煙の匂いを乗せ、喉を焼き、黙る。
月は彼を照らし、癒やす。
おそらく彼は月となったのだろう。人を救う事で。
「だが、俺は……」
空虚な、ただ己を蝕む言葉が彼にまだ残っている。存在から目をそむける事は出来ない。
そして器を空け、天を仰ぐ。
彼は月に目を向け、そして目を背け続ける。
それは 彼の
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投稿日 | : 2018/05/04(Fri) 08:34 |
投稿者 | : chocolate |
参照先 | : https://liftheightinsoles.com |
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