当キャンペーンではサプリメント「グランクレスト戦記データブック」で追加された「伝説」ルールを採用する。
ムルマンスクをはじめとする各領地ごとに、固有の「伝説」を有し、各領地に所属するキャラクターはそれぞれに沿った効果を得られる。
これらの伝説は、大規模な混沌災害の発生以降に生まれたものとする。
~ その日、ムルマンスクは地獄と化した。大地が裂け、炎の海が湧き出し、人々を呑み込んでいった。
旅商人のアガラシャは不運なことに、陸路でノーザランのムルマンスクを訪れた時、
大規模な混沌災害に出くわしてしまった。
彼が駆け出しのころから苦楽を共にした愛馬、シャイルもまた、突然出来た大地の裂けめに呑まれてしまった。
その時に、主人を守ろうとしたのか突然暴れてアガラシャは放り出され、溶岩に呑まれずに済んだが、地面に転がり落ちた時に、膝を打ってしまい、移動するのもままならなかった。
失意のアガラシャは足を引きずりながら、近くの村落へ向かおうとしていたが、生憎不幸は続いた。
目の前で混沌が収束し、3mはあろうかというオーガが現れてしまった。それはアガラシャを見るなりぺろりと舌なめずりをし、吟味するようにこちらを見た。
「ここで私は終わりなのだろうか。シャイルも死んでしまったし財もない」そう、あきらめの境地に至りつつあるアガラシャに、オーガはゆっくりゆっくりと歩を進める。
そしてその手がアガラシャへと伸びた……その時。 突然アガラシャの目の前にいかにも屈強そうな化け物が何匹も飛び出して来た。それらはオーガを蹴り飛ばすと激しくいなないて威嚇する。
オーガは突然飛ばされたばかりの世界で化け物に出くわしたことで、錯乱し、一目散に逃げていった。
アガラシャはその化け物の方を見た。8つの足を持つ馬。稲妻が体に走る馬。全身が漆黒で、影のない馬。
アガラシャは次は自分の番か、と覚悟した時、不意に一匹の怪物馬へ目が向かう。
それは紅く、足から炎を噴き出す怪物だったのだが、その馬に見覚えがあった。
「シャイル!!」男は死んだはずの相棒の名を叫んだ。その馬も声の限り嘶いた。
馬たちは混沌を取り込み、取り込まれ、新たな肉体を得たのだった。
己の信念によって混沌を呑み伏せた馬は主人との再会を涙を流して喜ぶのだった~
~「いやーはははははははははは、いやいや何年ぶりでしょうかぁ?100年?1000年?1万年と2千年前?あまりに長い時間が経つとわからなくなってしまうものですなあ?おっと、な乗り遅れました。私はあの!かの!天才にして叡智の結晶たる碩学者にして稀代の錬金術師ファウスト博士に呼び出されし、嗚呼、この朝露に濡れし蓮華草の蜜にも勝らずとも劣らぬ甘美なるこの名をどうぞ!どうぞご清聴あれ!我が名はメフィストフェレス。メフィストフェレスでございます。アビス界の大悪魔たるこの私。わ た く し が、この世界に呼び出された由縁とは実に、実に奇妙にして奇怪なる運命の悪戯と申しますか。ああ、忘れもしませぬ、私がかつて蒼き星において至上の叡智を博士とと共にあの腹が4段――3段ではありませんよ、なんと4段もこさえた、豚が王冠を被って玉座に座っているのではないかと錯覚する王に献上する所で私は 嗚呼!!気づけばこのアトラタンなる世界に飛ばされていたではありませんか!いえ厳密には飛ばされていたのではなく私は私の影がこの世界に分身として現れたにすぎず……嗚呼、私を戻さないでくださいませ!旦那様!ご主人様!御殿様!私が貴女の願いを助けて差し上げましょう!!あなたが望むならこのメフィストフェレスは喜んで力を献上致しましょう!!私めはほんの少し!ほんの少しのおこぼれさえあればよいのです!どうかご主人様!私目に御命じ下さい!私メフィストフェレスに!!ああしまわないでえ!!」~
~大災害を境に、アストラハンは混迷を極めていた。
国境付近に配置されていた軍は軍閥化し都市を占領、領有権を主張し始める。
そして農地を悉く失ったことから民は困窮。蓄えであった食糧は金に変わり、
それを元手に、多くのアストラハンの都市がノーザラン各所へ金貸しを始めた。
各都市の関係は険悪になり、民は困窮、生きることすら困難となった。
そんな時に一つの光明が指す。アストラハンを代々治めてきたアストライヒ家の墓が、
大災害で崩れた際、帰還したアストラハン領主ヴィルフリートはそこで、伝説の武具を発見する。
ファーストロード、レオンが円卓の騎士に与えた武具の一つ"星辰の拳"は、がれきの中から、
まるで機が熟した、とでも言わんばかりに佇んでいた。
アストラハンは、ヴィルフリートがこの武具を掲げたことで、一旦は内紛は収まったのだ。~
- 概要
- アストラハンには円卓の武具である「星辰の拳」が存在している。
- アストライヒ家の初代当主はこの武具を使用して、レオノヴァ家を助けたとされるが、
- 行方不明となっていた。大災害が起こるまでは――――
- 効果
- 継承者たるヴィルフリートは「星辰の拳」を取得している。
- また、この国に所属するヴィルフリート以外のロードは「弱者を守る」という誓いを得ている限り、
- 常に、マスコンにおいて最大士気が+1となる。
- 代償
- 星辰の拳を取得しているものは、弱者から守る戦いから逃亡できない。
- また、「弱者を守る」誓いを立てたロードは、逃亡を行った時、
- そのシナリオの間、士気上昇効果が無くなり、現在士気と、最大士気1点が低下する。
- 解除
- 星辰の拳を破壊、強奪など何らかの形で失った場合、この伝説は効果を失う
- また、この武具の所有者が、弱者を守る戦いから逃亡した時、
- この武具はロードを主と認めなくなり、装備できなくなる。
部隊オプション《エルフの兵士》 | ||
爵位 | 資源 | カウント |
騎士 | 森林1 | 500 |
フレイバーテキスト | ||
優美であり勇猛な森の一族エルフを部隊に組み込む。 | ||
効果 | ||
部隊の【反射】【感覚】+1、行動値+3 | ||
また偉業特技と「タイミング:常時」を除くエルフのクラス特技からひとつを選択し、部隊特技に追加する。 | ||
取得した特技のレベルは部隊のレベルと同じになり(元の特技の最大レベルは超えられない)、コストは | ||
「士気1点」に変更される。 | ||
部隊オプション《副官任命:光芒の自由騎士》 | ||
爵位 | 資源 | カウント |
騎士 | なし | なし |
フレイバーテキスト | ||
光芒の自由騎士が副官として協力してくれる。 | ||
彼/彼女の存在は部隊を奮い立たせ、その知識は混沌の化け物を打ち倒す道筋になるだろう。 | ||
効果 | ||
部隊の最大士気を+1。さらに混沌投影体に対して行う攻撃のダメージ+[部隊レベル×5]。 | ||
「副官任命:●●」は重複して選択できない。 |
ワークス特技《忠義たるもの》 | 最大Lv:1 | 種別:共通 | ||
タイミング | 射程 | 対象 | 判定 | コスト |
効果参照 | ─ | ─ | ─ | 6 |
フレイバーテキスト | ||||
忠義の心にて、あらゆる苦難に打ち克つ特技。 | ||||
効果 | ||||
あなたがなんらかのバッドステータスを受けた際に使用する。 | ||||
そのバッドステータスを打ち消す。 | ||||
GMはそのキャラクターから忠義が失われたと判断したら、この特技の使用を禁じてもよい。 |
~「あれは一体何なのだ!?」
スタルクの将軍は今まさに戦いに敗れ、遁走している最中だった。
隣国ノーザランは巨大な混沌災害に犯され、弱体化したと聞いていた。
事実、国境沿いから山は消え、あちら側の防衛の拠点となっていた、砦は跡形もなく崩壊した。
まさに攻め入るには好機であったのだが、それは間違えだと即座に教えられることとなった。
将軍は、食糧を売りに街へ向かう農民の集団を見つけ、略奪を部下に命じた。
だが、それが命取りとなった。農民たちは武具も身につけず、襲い掛かったスタルクの軍勢を、
素手で次々と"殺害"して行く。もはや人間の業とは思えぬそれだ。
しかも恐るべきことに、大人だけでなく、女子供までまるで武術の達人のごとき動きで、
兵士を仕留めるのだ。
あまりの事に恐慌状態に陥った部隊は崩壊。将軍と数人の兵士だけが何とか逃げ延びる事ができた。
「ふざけている!!何故ああも、ああも精強な部隊が容易く駆逐されるのだ・・・!」
「それは弱いからだよ。貴方たちが」
"それ"は、いつのまにか将軍の横を並走していた。先ほどの農民の集団にいた少年だった。
「この国手を出したのが運のつきだね」その言葉を聞いた後、将軍は絶命していた。手刀で鎧ごと肉体を打ち砕かれ。
かつてサマーラには殺の一文字という暗殺技術が存在していたが、それは長い間、極めてごく一部の人間を除いて存在すら知らぬ程封印されていた。
だが、大災害の影響で、今まで知っていた者たちは忘却し、知らなかった者たち全てがその極意を何の労もなく手に入れた。
それはすなわち、サマーラの国民総てが会得したことに他ならない。 ~
ワークス特技《殺の一文字》 | 最大Lv:3 | 種別:伝説 | ||
タイミング | 射程 | 対象 | 判定 | コスト |
常時 | ─ | 自身 | ─ | ─ |
フレイバーテキスト | ||||
心に殺の一文字を潜ませ、いつでも相手を殺す覚悟をしている技法。 | ||||
効果 | ||||
以下の3つの効果よりLV個を取得する。同じ効果を重複して選択できない。 | ||||
・【行動値】+4 | ||||
・あらゆる命中判定の達成値+2 | ||||
・あらゆる攻撃のダメージ+1D | ||||
あなたの最大【MP】は-5される。 |